電子入札に必要なパソコンとソフト

電子入札を利用するためには、参加資格の他に、電子証明書(ICカード)とICカードリーダーが必要になります。
しかしそれ以前に検討しなければいけないもの、それはパソコンとネット環境です。

パソコンに関しては既にお使いかと思いますが、何でもよいというわけではありません。
電子調達に参加する場合には、相手方に合わせたWindowsやInternet ExplorerやJavaの「バージョン」が重要になってきます。

ICカードとICカードリーダーは、無料ではありませんし、取得・購入後のセットアップにも、Javaや、Internet Explorerのバージョンの管理や、普段は使わない部分の設定に関する知識が多少なりとも必要になってきます。

「パソコンの知識が人より豊富」といったレベルでマニュアルを読まずに設定を始めてしまうと、失敗してしまう事もあります。
何より、私自身がそうでした。
ですので、まずはきちんとマニュアルを画面に表示するか、印刷して手元に置いてチェックしながら進めることを、強くおススメします。

それでは、一つずつわかりやすく解説します。

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パソコン等の準備

可能であれば、電子入札専用のパソコンを用意してください。
理由は、Windowsのバージョン、Internet Explorerのバージョン、Javaのバージョンを管理しなければならないからです。
必ずしも最新のバージョンが推奨環境に適合しているわけではありません。

入札に参加したいサイトを確認し、推奨環境(動作環境)をメモ書き残してください。
特にWindowsのバージョンには注意してください。
新しいOSのバージョンがリリースされた場合、市場で購入できるパソコンよりも古いWindowsが推奨環境に指定されていることもあります。

以下のOS、ブラウザ、JAVA実行環境が利用できます。

平成31年1月11日(金)から

ハードウェア
項目 仕様 備考
1 パソコン本体 OSがサポートしているPC/AT互換機(DOS/V)
2 画面解像度 XGA(1024×768)以上のカラーモニタ
3 CPU Intel CoreDuo 1.6GHz同等以上
4 メモリ 1GB以上 WDDM対応グラフィックプロセッサ VRAM 128MB以上の登載を推奨
5 HDD 1ドライブに空き容量が1.0GB以上
6 CD-ROM CD-ROMドライブ×1
7 インターフェイス ご契約中の認証局(連絡先はこちら)の仕様にあったICカードリーダーが接続可能なインターフェイスがあること。 (別ウィンドウで対応認証局のお問い合わせ先一覧ページが開きます)
8 ICカードリーダー ご契約中の認証局(連絡先はこちら)から提供されたものをご使用ください。
9 通信回線 64Kbps以上 ADSL,CATV等を推奨
ソフトウェア

以下のOS、ブラウザ、JAVA実行環境が利用できます。
組み合わせ一覧についてはこちらからご覧ください。
●OS及びブラウザ(ブラウザは日本語版且つ32bit版に限る)
・Windows 7 SP1 (HomePremium/Professional) 32bit/64bit 及び Internet Explorer 11
・Windows 8.1 (無印/Pro) 32bit/64bit 及び Internet Explorer 11
・Windows 10 (Home/Pro) 及び Internet Explorer 11(Microsoft Edgeには対応していません)
●JAVA実行環境(32bit版に限る)
・JRE7.0  Update 15/45
・JRE8.0  Update 25/65/71/101/161/191
※JAVA実行環境のインストールに関するお問い合わせは各認証局までお願いいたします。

いかがでしょうか。

初稿執筆時と違ってWindows10には対応されましたが、ブラウザに限っては32bit版です。
しかも、インターネットエクスプローラーのバージョン11だけ。
Windows10で標準のブラウザーである、Microsoft Edgeはまだまだ使えそうにありません。

このように「FirefoxやGoogle Chromeでもいいのでは?」というのは、まったく当てはまりません。
とにかく推奨環境のチェック、バージョンの管理が必要なので、そういうことを管理できる人なら良いですが、できるなら勝手にアップデートされたりしない専門のPCがあった方が良い、と思います。

もちろん、JAVAの自動アップデートなども「しない」と設定してください。

というわけでパソコンは何でも良いわけではなく、OSとIEとJAVA実行環境のバージョンに注意して選んでください。

ソフトウェア等の準備

その他必ずしもマストではありませんが、Microsoft Officeが必要になります。
これは始めてみたら分かりますが、配布される「仕様書」(その仕事の詳しい内容が書かれている書類)がExcelだったりWordだったりします(PDFも最近は多いです)。

フリーのofficeスイート(Libre Officeとか)などは私も試してみましたが、レイアウトが崩れてしまい、大事なところが読めなかったりしました。
結局他のMS Officeがインストールされているパソコンで開き、プリントアウトするという大変面倒くさい事態になってしまいました。
効率化を考えて電子入札を導入するというのに、それでは本末転倒です。

行政機関によっては、LibreOfficeを導入している所もあるようですので、その場合には大丈夫なのでしょうが、通常はMicrosoft Officeを使われている事が多いようですので、同じように表示できるソフトウェアを揃えておくことが必要になります。

ですので、Microsoft Office付きのパソコンでWindowsのバージョンが適切なバージョンのものを選ぶことになります。

電子入札パソコンはデスクトップ?それともノート型?

これは、お好みで・・・といいたいところなのですが、ノート型(一体型も含めて)の場合、液晶画面が壊れたらどうしたらいいでしょうか?
DVDが壊れたら・・・キーボードが・・・HDDが・・・(HDDは取り替えれば済みます)液晶画面が届くまでは入札に参加できないとしたら、悲惨です。

私も、出先にモバイルルーター+ノートPCで、チェックはしています。
どうしても会社に戻れない時に新規の入札案件を確認したかったり、仕様書をダウンロードしたかったりする場合です。

NTTドコモの電波で格安のモバイルルーター

このような、三重県の山奥の方でもしっかりと電波を捕まえることができなければならないので、NTTドコモの電波を使えるモバイルルーターを格安で持つようにしています。

しかし、ICカードリーダーを繋げてじっくりと入札に取り組む時には、会社の専用のデスクトップパソコンです。
しかも画面は27インチのかなり大きな画面です。(私のノートパソコンは13.5インチですので、4倍の大きさになります。)

つまり、会社でじっくり(デスクトップ+大型液晶画面)、出先でサクっと(モバイルルーター+ノートPC)。
こういうデュアル環境が、私のおススメする環境になります。

仕様書を画面半分で開き、ネットで前回の落札価格を調査し・・・いろいろ同時に作業をするので、画面は広いに越したことはありません。

電子入札パソコンをどこで買う?

希望する仕様のパソコンが買えるのであれば、家電量販店でもネット通販でも構わないと思います。
しかしながら、家電量販店の場合、最新のOS搭載のパソコンしか置いてなく、古いOSが必要になってくる電子入札では使えない(将来的には使えるようになるでしょうが)事も考えられます。

その点、ネット特にmouse computerなどの直販サイトでは、OSを選べるようになっていましたので紹介しておきます。